ソーシャルマーケティング

BTSが海外で成功できた鍵はSNS!?

始めに

BTS(防弾少年団)は、デビューして5年以内にアジアを超え、北米、ヨーロッパなど色んな国でたくさんのファン出来ましたが、彼らの人気の秘訣は一体なんでしょう。
韓国の大型アイドル事務所SM、YG、JYPではなく小規模アイドル事務所「Big Hit Entertainment」は限られた財政的負担で、テレビの音楽番組のような大衆媒体や放送ではないSNSを集中攻略したのが、彼らの成功の鍵だったと言えます。

BTS(防弾少年団)の紹介

21世紀の「ポップ・アイコン」と呼ばれているBTS(防弾少年団)は2013年にデビューし、韓国国内外の新人賞を席巻した韓国を代表する最上のボーイズグループに成長しました。アメリカのビルボードだけでなく、イギリスのUKオフィチャート、日本オリコンをはじめ、iTunes、Spotify, Apple Musicなど世界のチャートで1位を記録し、単一音盤販売量、ミュージックビデオの再生回数、SNS指数などでも独歩的な記録を更新しています。

BTSは、週にビルボード「ホット100」と「ビルボード200」チャートで首位を獲得した最初のグループであり、通算「ビルボード200」で5回、「ホット100」で4回、1位を占めました。また、「第63回グラミー賞授賞式」で、韓国の歌手として初めて単独ステージを披露し、「ビルボード・ミュージック・アワード」と「アメリカン・ミュージック・アワード」、そして「グラミー賞授賞式」まで、アメリカの3大音楽授賞式でパフォーマンスをするという記録を打ち立てました。BTSはスタジアムツアーを開催し、世界のコンサート市場でもグローバルアーティストとして確固たる地位を築いてきており、国連総会でのスピーチやLOVE MYSELFキャンペーンなどを通じ、善なる影響力を実践しています。

(BTSの公式サイト引用)

BTSのSNS活用方法

①BTSのTwitter活用方法

BTSはデビューした2013年以前の2011年から着実にTwitterを通じて自分たちの考えと見つめる時代の話をツイートしてきました。2021年12月基準、現在約4200万人がフォロワーしており、約1.2万件のツイートがあります。

メンバーが近況報告やメッセージを投稿するBTSの共通Twitterアカウントの投稿は、ほとんどがBTSを大変近くに感じられる親近感に周力しているコンテンツです。メンバーの自撮り画像や動画の投稿を見て、世界各国のファンたちが「いいね」や「リツイート(ツイートを自分のアカウントに共有する機能)」をしたり、リアルタイムで投稿がファンたちに二次創作物化され、ファンたちが望む属性を揃えるようになり、さらに多くのファンに広がっています。ファンの年齢が低いため、SNSを使用することに慣れていて、SNSを主力に活用したことは一つの成功要因だと考えられます。

所属アイドルの写真や映像のWEB公開が一般的ではない日本と比べて、本人たちの自撮り写真や画像を自由に無料で公開できたことに日本のファンは特別を感じたと思われます。

②BTSのYouTube活用方法

BTSが海外ファンに注目し始めた理由は、“刃物のように鋭く、切れのいいダンス”という意味の韓国の言葉「カルグンム」です。メンバー7人が一人のような動きをしているBTSのPV(プロモーションビデオ)が海外のファンには新しいジャンルと認識され、多くの人に興味を集めました。さらに、当時海外YouTubeで流行っていたコンテンツ、「リアクション動画」によく登場して多くのユーザーに注目されました。メンバーごとに似合う各種職業のスーツと制服、完璧なカルグンムが海外のファンにいいアピールポイントとして作用しました。

BTSはYouTubeに大量のコンテンツを公開して、著作権などの問題で韓国内で放送された番組を観れない海外のファンにも楽しめるコンテンツを提供しました。実は、デビュー初期認知度が低いため、放送出演機会が少なくてSNSを通じてコンテンツを提供してきたことが、結果的には成功の要因の一つになりました。

BTSのSNSアカウント状況

BTSは色んなSNSアカウントを運用しています。
2021年12月基準、BTSの公式SNSフォロワーは下記となります。
・メンバーのTwitterアカウント(@BTS_twt):約4,200万人
・BTSの公式Twitterアカウント(@bts_bighit):約3,600万人
・YouTube(BANGTANTV):約6,200万人
・Instagram (@bts.bighitofficial):約5,700万人
・Tiktok (@bts_official_bighit):約4,500万人

YouTube(BANGTANTV)

BTSの登録者は2021年12月基準世界17位の6,200万人であり、YouTubeチャンネルの分析サイトSOCIAL BLADEによると、韓国内アイドルのYouTubeチャンネルの中、年間推定収益が1位の19億円を記録しています。

BTSは現在、K-POPアーティストの中で最上級のYouTube視聴回数を記録しています。BTSの「Butter」は、「YouTube映像視写会最多視聴者数」、「YouTube MV試写会最多視聴者数」390万人、そして24時間内YouTube 1億820万ビューを達成し、「YouTube MV 24時間最多視聴数」、「YouTube KポップグループMV 24時間最多ヒット数’記録などがギネス世界記録に登録されています。

Instagram (@bts.bighitofficial)

BTSは2015年11月公式Instagramアカウントを始め、2021年12月現在、約5,700万人がフォローしています。

2021年12月7日、メンバー全員が個人Instagramアカウントを始めました。開設した当日に7人全員のアカウントのフォロワーが1,000万人を達成し、その中、達成が一番早かったメンバー「V」は、ただ6時間で1,000万フォロワーを獲得し「一日で一番多くのフォロワーを集めた」記録を達成して、ただ4分で一つの投稿が100万いいねを獲得し「世界中で一番早く100万いいねを達成」した記録を更新しました。

BTSが始めたオウンドSNS 「Weverse」

Weverse (ウィーバース)は、BTSの所属事務所HYBEの子会社WEVERSE COMPANYで開発や運営をしている、ファンコミュニティのSNSです。アーティストとファンが文字や画像の投稿を通じて直接交流できる無料コミュニティであり、有料コンテンツやメンバーシップ限定コンテンツも提供しています。BTSを中心に色んな韓国のアイドルや海外のアーティストが利用していて、全世界のファンが好きなアーティストとコミュニケーションを取れる、ファン向けのSNSです。

2020年9月基準、加入者合計1,347万人を保有する大型プラットフォームになり、現在は、全世界229カ国・地域で日平均約140万人が訪問し、月平均約1,100万個に及ぶコンテンツが生成されています。

最後に

BTSは、単純に限れた事務所の予算の問題で大衆媒体ではなく、SNSを選択しました。ただし、SNSだから成功した訳ではなく、彼らの情熱と努力がSNSという媒体を通じて多くの人に伝わったのが成功の鍵になったのではないでしょうか。

ABOUT ME
ソンユンハ
韓国生まれ、ニュージーランド育ち。英語、韓国語、日本語を堪能。 大学で国際経営を学び、卒業後、ニュージーランドのメーカー、日本のホテル業界でマーケティングに携わる。 これまでのマーケティング経験を活かし、クライアントワークスに落とし込むのが得意。 2021年、株式会社toにジョイン。