「最近、Instagramのリーチが急に下がった気がする…」と感じていませんか?
あるいは逆に、「オリジナルコンテンツを頑張って作っているのに、なかなか伸びない」と悩んでいる企業SNS担当者の方もいるかもしれません。
2026年5月、Instagramのアルゴリズムに大きなアップデートが実施されました。オリジナルコンテンツを優遇し、他人の投稿を転載する「まとめ系・アグリゲーターアカウント」を大幅に制限するという、プラットフォームの方向性を根本から変える変更です。
この記事では、今回のアップデートの内容を分かりやすく整理し、企業アカウントが今すぐ取るべき対策を実務視点で解説します。最後まで読めば、自社のInstagram運用を正しい方向に軌道修正できるはずです。
2026年5月Instagramアルゴリズムアップデートの概要
今回のアップデートは、Metaが公式に発表した「クリエイターエコシステムの強化」施策の一環です。
一言でまとめると、「自分でコンテンツを作るアカウントを徹底的に応援し、他人のコンテンツに乗っかるアカウントを排除する」という方針転換です。
これまでのInstagramでは、他人の人気投稿をまとめて転載するいわゆる「まとめアカウント」や「アグリゲーターアカウント」が、比較的簡単に多くのフォロワーを獲得できていました。しかし今回のアップデートにより、その構造が大きく変わります。
アップデートの3つの柱
- オリジナルコンテンツの優遇:自分自身が制作した投稿は、発見タブやリールへの表示において優先的に取り扱われるようになりました。
- アグリゲーターアカウントのリーチ制限:他人の投稿を転載・まとめるアカウントは、発見タブへの露出が大幅に制限されます。
- 小規模クリエイターへのチャンス拡大:フォロワー数に関わらず、オリジナルで質の高いコンテンツを投稿すれば、より多くのユーザーにリーチできる環境が整備されました。
Metaの狙いは明確で、「本当に価値があるオリジナルコンテンツを増やすことでプラットフォームを活性化させ、クリエイターを育てる」という長期的な戦略に基づいています。
企業のSNS担当者として、まずはこのアップデートの全体像を正確に把握することが、適切な対応策を立てる第一歩になります。
オリジナルコンテンツが優遇される仕組みを理解する
「オリジナルコンテンツを優遇する」と言われても、具体的にアルゴリズムがどう動くのか、気になる方も多いでしょう。
Instagramのアルゴリズムは、投稿が「誰が作ったものか」を判定する仕組みを強化しています。ここでは、その仕組みをわかりやすく解説します。
アルゴリズムが「オリジナル」と判定する基準
- 投稿者自身が撮影・制作した写真・動画:メタデータ(撮影情報)や画像の一意性から判断されます。
- 既存の投稿との重複がないコンテンツ:他のアカウントが過去に投稿した内容と同一・類似のコンテンツは「転載」と判定されるリスクがあります。
- アカウント固有のクリエイティブ要素がある投稿:ナレーション、テキストオーバーレイ、独自の編集スタイルなど、制作者の個性が反映された投稿は高く評価されます。
エンゲージメント評価も「質」重視に
今回のアップデートでは、エンゲージメントの「量」だけでなく「質」も重視されるようになっています。
| 評価指標 | 重要度(変更前) | 重要度(変更後) |
|---|---|---|
| いいね数 | 高 | 中 |
| 保存数 | 中 | 高 |
| シェア・送信数 | 中 | 高 |
| 動画視聴維持率 | 中 | 高 |
| コメントの内容・深さ | 低〜中 | 高 |
特に「保存」と「シェア」は、コンテンツが本当に価値あると認識された証拠として、アルゴリズムに強いシグナルを送ります。
オリジナルコンテンツを評価する仕組みの強化は、企業アカウントにとって「コンテンツの質」を改めて問い直す機会でもあります。数をこなすより、一投稿ごとの価値を高めることを優先しましょう。
転載・アグリゲーターアカウントへの影響と注意点
今回のアップデートで最も大きなダメージを受けるのが、「アグリゲーターアカウント」です。
アグリゲーターアカウントとは、他のユーザーやクリエイターの投稿を集めてリポスト(転載)することを主な運用スタイルにしているアカウントを指します。
これまでは人気コンテンツを転載するだけで比較的簡単にリーチを獲得できていましたが、今回の変更でその手法は通用しなくなりました。
具体的に何が制限されるのか
- 発見タブ(虫眼鏡)への表示機会が激減:転載主体のアカウントは、フォロワー外のユーザーに表示される発見タブへの掲載がほぼなくなります。
- リールのおすすめ欄への露出低下:他者の動画をリポストしたコンテンツは、リールの「おすすめ」に表示されにくくなります。
- フォロワー増加ペースの鈍化:新規フォロワーの流入が激減し、アカウント成長が止まる可能性があります。
企業アカウントが「アグリゲーター」と見なされないために
企業アカウントが意図せずアグリゲーターと判定されないよう、以下の点を確認しましょう。
- リポスト・引用投稿の割合を減らす:投稿全体の中でオリジナル投稿が主体になるよう比率を調整します。目安として、オリジナル投稿7〜8割を目指しましょう。
- UGCを活用する際は付加価値を加える:お客様の投稿を紹介する場合でも、自社独自のコメントや解説、ブランドメッセージを組み合わせることで「オリジナル要素」を持たせます。
- キュレーション型の投稿には工夫を:情報まとめ系の投稿をする場合は、自社の視点・意見・解説を明確に加え、単なる転載にならないよう工夫してください。
今回のアップデートは、「楽して成果を出す」運用スタイルへの強力なNGサインです。地道にオリジナルコンテンツを積み上げてきた企業アカウントにとっては、ライバルとの差が広がるチャンスでもあります。
企業SNS担当者が今すぐ実践すべき運用戦略
アップデートの内容を理解したら、次は「では何をすればいいか」という実践フェーズです。
今回の変更は企業アカウントにとって脅威ではなく、正しく対応すれば大きなリーチアップのチャンスになります。以下の戦略を参考に、自社の運用を見直してみてください。
① コンテンツ制作の「オリジナル化」を徹底する
最も重要なのは、自社固有のコンテンツを増やすことです。具体的には次のようなアプローチが効果的です。
- 自社商品・サービスの舞台裏を見せる:製造現場、社員の日常、開発秘話など、他社には真似できないコンテンツは最強のオリジナルコンテンツです。
- 社員が顔出しで登場する動画を作る:人の顔が見えるコンテンツはエンゲージメントが高く、ブランドへの親近感も生まれます。
- 自社のノウハウ・知見を情報発信する:業界情報やTipsを自社の視点でまとめたコンテンツは、保存・シェアされやすく評価が高まります。
② 「保存」「シェア」を促すコンテンツ設計をする
アルゴリズム評価において、保存数・シェア数の重要度が上がっています。これらを増やすためには、コンテンツ設計の段階から意識することが必要です。
- 「あとで見返したい」情報をまとめる:レシピ、使い方ガイド、チェックリストなど、保存したくなる実用的なコンテンツを増やしましょう。
- 「誰かに送りたい」と思わせるコンテンツ:共感性が高い・驚きがある・ユーモアがある投稿は、DMでシェアされやすくなります。
- キャプションで明確なCTAを入れる:「参考になったら保存しておいてください」「仲間にも教えてあげてください」と一言添えるだけで、行動率が変わります。
③ リール動画を主力コンテンツに位置づける
今回のアップデートでも、リール動画はInstagramの中で最もリーチが伸びやすいフォーマットであることに変わりはありません。
- 最初の3秒で引きつける:視聴維持率がアルゴリズム評価に影響するため、冒頭のフックを意識した構成にしましょう。
- 15〜30秒の短尺動画から試す:まず視聴完了率を重視した短い動画で反応を見てから、尺を調整するアプローチがおすすめです。
- テキストオーバーレイ・字幕を必ず入れる:音声なしで視聴するユーザーも多く、字幕があることで視聴維持率が上がります。
④ 分析ツールで「何が刺さっているか」を定期的に確認する
アップデート後の環境では、これまで以上にデータに基づいた運用が重要になります。
- Instagram インサイトで保存数・リーチ数を定期的に確認する習慣をつけましょう。
- インプレッションの「発見タブ」からの流入比率をチェックし、オリジナルコンテンツの効果を測りましょう。
- 月次で投稿パフォーマンスをレビューし、上位投稿の共通点を次のコンテンツ企画に活かします。
戦略を立てるだけでなく、PDCAを回すことが成果への最短ルートです。まずは自社のインサイトデータを確認することから始めてみてください。
まとめ|2026年5月アップデートで変わるInstagram運用の要点
2026年5月のInstagramアルゴリズムアップデートは、「転載・まとめ運用の終焉」と「オリジナルクリエイターの台頭」を象徴する大きな変化です。
企業SNS担当者として、今回の内容を整理しておきましょう。
- オリジナルコンテンツが最優先評価される:自分たちで制作した投稿は、発見タブやリールでのリーチが伸びやすくなりました。
- 転載・リポスト主体の運用はリーチが激減するリスクがある:アグリゲーターアカウントへの制限が強化され、発見タブへの露出がほぼなくなります。
- 「保存」「シェア」「視聴維持率」がアルゴリズム評価の鍵:いいね数より、コンテンツの実用性・共感性・完成度を重視した設計が重要です。
- フォロワー数に関わらずオリジナル投稿でチャンスがある:小規模アカウントでも質の高いコンテンツを継続すれば、新規リーチが広がります。
- リール動画を主力に置き、データ分析を定期的に行う:インサイトを活用しながらPDCAを回すことが、安定した成果につながります。
今回のアップデートに正しく対応できた企業アカウントは、競合との差別化を大きく図るチャンスを手にしています。
まずは、自社の直近1ヶ月の投稿を振り返り、「オリジナルコンテンツの割合」と「保存数・シェア数の多い投稿の傾向」を確認するところから始めてみてください。小さな一歩が、大きなリーチの変化につながります。
2009年にIT業界に就職、開発者を志す。マッチングアプリ、ソーシャルゲーム、顧客管理システム開発を経て、ソーシャルマーケティングのマーケターを経験後、SNS管理ツール「GENba」の開発者として運用まで担っている。
2019年、株式会社toにジョイン。




