グローバル化した世界
現在のグローバル化した世界では、手に持っている小さい携帯だけでも世界の情報をすぐに手に入れることができます。自分が住んでいる国のことだけではなく、世界で起きていることをすぐに知ることができます。
そして、SNSという媒体を通じて、世界の人と簡単に繋がることができていて、文字や写真だけではなく、動画のコンテンツを使うことで、言語の壁を超えて情報共有ができる世界になっています。
企業はこれに対して、国内だけではなく、世界を舞台にできる利点を活用して海外の人へのマーケティング戦略を考える必要があります。
海外進出を目指す理由
①人口
2021年現在、日本の人口は約1億2500万人です。しかし、日本の人口はどんどん減少しており、数年後には1億人を割り込むと想定されているのです。世界の約77億人の人口に比べて、圧倒的に低い数値です。高齢化している日本の人口は、SNSを活用している企業のマーケットとして魅力がなくなっている可能性があるため、海外向けのマーケティングが必要になります。
また、日本に暮らす外国人も年々増加しているので、海外の人向けのマーケティングを国内でも活用できる可能性が高いです。
②グローバル化
コロナの影響は例外にして、日本には毎年多くの外国人が来日します。旅行や就職を目的として来る多くの人から聞かれるのが、先進国日本のグローバル化の遅さです。観光客がよく行く東京や京都の場合、様々な言語での案内表記がされています。一方で、外国人には未だに理解しにくい表現や対応に困る店員などが原因で、選択肢が限られる場合もあります。
企業はグローバル化に対し、不十分な対応でビジネスチャンスを逃していないかを一度考える必要があります。
海外進出に関するSNSマーケティング成功事例
「資生堂」
資生堂は日本の化粧品メーカーです。2019年基準、国内化粧品市場のメーカーシェア1位であり、世界シェアでも5位のトップクラスブランドです。資生堂の海外売上比率は5割以上で、海外に進出した日本企業の成功事例だと言えます。
その成功要因の一つとして、資生堂が海外向けのInstagramアカウントを起用したことです。
下記はそのアカウントの特徴です。
・商品の画像を雑誌のようにアーティスティックに表現する
・モデルを起用してテレビCMのようなクオリティーの写真を使う
・海外ユーザー向けに英語で「#JBeauty」や、中国圏向けに漢字で「#資生堂」などのハッシュタグを起用する
・日本や日本製品の魅力を取り入れた表現や写真などを活用する
グローバル向けSNSマーケティング
POINT① 「媒体選択」
日本国内の場合、SNS媒体としてInstagramやTwitterが主に使われています。しかし、東南アジア系はFacebook、中国はTIKTOKを利用して情報交換を行います。国によって各SNS媒体に対しての評価が異なることで、使用媒体を戦略的に選択する必要があります。
例えば中国はその市場の大きさから、世界の多くの企業が進出を求めています。しかし、世界で一般的に使われているFacebook, Instagram, Youtube, Googleなどは中国ではほとんど使われてないため、独自のSNS媒体のWeibo, Wechat, Tiktokを使用しています。
進出したい国での使用媒体を判断するためには、インフルエンサーに話を聞くのが効果的だと言えます。進出したい国で影響力持つ有名インフルエンサーを起用し、よく使われている媒体や情報発信方法を理解する必要があります。
POINT② 「文化理解」
海外マーケティングを考える際は、進出したい国の文化や歴史を理解しなければいけません。国によって違う思想、宗教、政治を理解しないまま、国内と同じマーケティングをしてしまうと企業の信頼を失う可能性があります。
さらに、各国の消費者ニーズ、現在起きている問題、トレンドになっているものなどを理解した上で実現できる提案を考えることが重要になります。
日本国内の場合、コロナの影響で、家の中で動画コンテンツを消費する人が増加しました。その中でも、特に韓国のドラマが人気になり、韓国のコスメ、ファッション、食べ物に対しての日本人の興味や関心も増えました。コスメやファッション業界でも「#韓国ファッション」がキーワードとなり、韓流ファンだけではなく、一般の日本人からの興味や関心が増えています。
最後に
日本から海外にマーケットを広げることには多くの利点があり、SNS媒体を活用してより早く、簡単に進出することができます。
しかし、日本国内マーケットと異なる海外マーケットへの理解が不十分なまま進出すると、希望した結果に繋がらない可能性が高いです。
進出したい国を明確に理解した上で戦略を立て、海外進出を成功へと導きましょう。
韓国生まれ、ニュージーランド育ち。英語、韓国語、日本語を堪能。
大学で国際経営を学び、卒業後、ニュージーランドのメーカー、日本のホテル業界でマーケティングに携わる。
これまでのマーケティング経験を活かし、クライアントワークスに落とし込むのが得意。
2021年、株式会社toにジョイン。